2025年の消費者はクチコミのどこを見ているのか?
- FURUYA AKIHIRO

- 11月19日
- 読了時間: 6分
星の数より「中身」と「新しさ」が売上を決める
結論から言う。
2025年の消費者は、★の平均点や件数だけでは店を選ばない。
見ているのは「中身の具体性」と「どれだけ最近のクチコミか」だ。
現場でオーナーから相談を受けていると、だいたいこういう要望が多い。
「評価を3.8から4.2に上げたいんです」
「クチコミをとにかく100件、200件まで増やしたいです」
つまり、「点数と件数が増えれば集客も増えるはずだ」と信じている。
でも実際の消費者は、そんな単純な数字ゲームだけで店を決めていない。

※この記事は、Googleマップ(MEO)対策を350件以上支援してきた古谷明大の現場経験と、ブリッジローカル社の「Local Consumer Review Survey 2024/2025」のデータをもとにまとめています。
僕のクライアントでも★は4.3〜4.5で横ばいなのに、 「直近3ヶ月のクチコミが途切れたタイミング」で新規問い合わせが落ちるパターンが何度も出ています。 数字より“最近の声”が止まることのほうが、実際の集客にとっては致命傷です。
これが現実。
オーナーは「星と件数」しか見ない。でも消費者は違う
まず、オーナー側の頭の中はシンプルだ。
★4.0未満 → 「印象悪そう」
クチコミ10件以下 → 「信用されないんじゃないか」
だから「とにかく件数を増やしたい」「低評価を埋めたい」
この考え方自体は間違いじゃない。
極端に★が低い、クチコミゼロの状態は、さすがに論外だから。
ただし、★4.2と4.4の差を死ぬほど気にしているのは、ほぼオーナーだけだ。
実際の消費者が見ているのは、もう少しエグいポイントだ。
2025年の消費者がクチコミで見ている5つのポイント
ブリッジローカルの調査と、実際にヒアリングしてきた感覚を合わせると、2025年の消費者は主にこの5つを見ている。
① 最新のクチコミかどうか(新しさ)

1〜2年前の★5レビューがいくら並んでいても、あまり信用されない
直近1〜3ヶ月のクチコミがスカスカだと「今はどうなんだろう?」と不安になる
とくにクリニックやジムなど「接客」「技術」が絡む業種は、最近の口コミがない=スタッフが変わった?質が落ちた?と疑われやすい。
② レビュー本文の具体性
「最高でした!」「良かったです!」だけの★5は、ほぼノーカウント
どんな悩みで来て、何をしてもらい、どう変わったのか“ストーリー”が書かれているかどうか
たとえばパーソナルジムなら、
「3ヶ月で−5kg」「膝が痛くてスクワットが怖かったが、フォームを丁寧に直してもらえた」
こういう具体的な一文が入っているだけで、説得力が一気に変わる。
③ 良い点と悪い点が両方書かれているか
いいことしか書いていないレビューは、もう誰も本気で信じていない
軽い不満やデメリットが書かれていたほうが、全体としての信頼度は上がる
例:「待ち時間は少し長かったが、その分しっかり説明してもらえた」こういうレビューは、むしろプラスに働く。
④ 写真や動画があるか
店内の雰囲気
Before/After
実際の施術・トレーニングの様子
文字だけより、写真・動画付きレビューのほうが圧倒的に見られている。AIも画像をかなり読めるようになっているので、SEO的にもプラスに働く。
⑤ 店側の返信内容
テンプレ返信ばかり → 「機械的で、あまり本気じゃなさそう」
一件一件にちゃんと返している → 「ここは真面目にやってるな」
ネガティブレビューへの返信は特に重要で、
事実関係を落ち着いて説明しているか
認めるべきところは認めているか
今後の対応方針が書いてあるか
ここを見ている人は、想像以上に多い。
データが示す「数字ゲームの限界」
ブリッジローカルの調査を読むと、「数字だけ追いかけても意味が薄い」ことが数字でもハッキリしている。
ざっくり要点だけ言うと:
レビューを「いつも/よく読む」人は相変わらず多い
でも「家族・友人の紹介と同じくらいレビューを信頼する」人は減っている
その代わり、レビューの“内容”や“新しさ”への目が厳しくなっている
つまり、
「レビューは読む。ただし、数字じゃなく“中身”で判断している」
ということ。
オーナーが考えている「★4.5・レビュー100件=勝ち」みたいな世界観は、もう崩れつつある。
「売上に効く」クチコミはこう作る
じゃあ、現場で何を変えればいいのか。シンプルに落とすと、ポイントは3つだけだ。
1. 件数より「継続性」と「新しさ」を優先する
一気に30件集めて、半年放置 → 微妙
毎月コンスタントに数件ずつ増え続ける → 強い
“レビューの更新頻度”そのものが、信頼のシグナルになっている。MEOの評価軸としても「新しいクチコミ」はかなり重要だ。
2. 「具体的な体験」が書かれるように仕掛ける
「クチコミ書いてください」だけでは、ほぼ100%「良かったです」で終わる。
聞くべきはこういうことだ。
来店前はどんなことで悩んでいましたか?
実際に受けてみて、一番良かった点は?
どんな人におすすめしたいですか?
この3つをメッセージや紙で渡すと、レビューの質が一気に変わる。
3. 写真・動画のハードルを下げる
Before/Afterの写真
店内やスタッフとの写真
トレーニング風景・施術の一場面
「よかったら写真も一枚だけ撮らせてください。 クチコミに載せると、同じ悩みの人の参考になります。」
この一言を言うか言わないかで、“刺さるレビュー”の割合はかなり変わる。
AI検索時代でも、レビューの本質は変わらない
AI検索の話を絡めておく。
AIはレビューを読み、要約し、その店の“評判”を文章で出してくる
そのとき使われるのは、「中身のあるレビュー」「具体例」「最近の声」
つまり、人間が「いいレビューだな」と感じるものを、AIも高く評価しやすい。
逆に、
テンプレ的な★5
明らかに作られたような文章
旧いレビューばかり
こういうものは、人にもAIにも刺さらない。
AI時代だからこそ、
「本当にお客さんの役に立った体験を、ちゃんと文章と写真で残してもらう」
という、超地味なところで差がつく。
まとめ:2025年のレビュー戦略は「数」から「質×継続」へ
改めて、シンプルにまとめる。
オーナーが気にしているのは「★の数」と「件数」
消費者が見ているのは「中身の具体性」「新しさ」「写真」「店側の返信」
一気に集めた古い★5より、最近追加された、体験の分かるレビューのほうが価値が高い
AI検索も、そういう“人間にとって価値のあるレビュー”を拾いにくる
だから、これからやるべきことは、
「★を上げたい」「件数を増やしたい」と騒ぐ前に、“中身のあるレビューを、毎月コツコツ増やす仕組み”を作ること
ここを整えれば、数字も後からちゃんとついてくるし、MEO・AI検索・オーガニック検索、どこから見られても強い状態になる。




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