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2025年の消費者はクチコミのどこを見ているのか?

星の数より「中身」と「新しさ」が売上を決める

結論から言う。


2025年の消費者は、★の平均点や件数だけでは店を選ばない。

見ているのは「中身の具体性」と「どれだけ最近のクチコミか」だ。


現場でオーナーから相談を受けていると、だいたいこういう要望が多い。

  • 「評価を3.8から4.2に上げたいんです」

  • 「クチコミをとにかく100件、200件まで増やしたいです」


つまり、「点数と件数が増えれば集客も増えるはずだ」と信じている。


でも実際の消費者は、そんな単純な数字ゲームだけで店を決めていない。


Googleレビューの一覧画面。最新順の並びと、具体的な体験談が並んでいる様子。

※この記事は、Googleマップ(MEO)対策を350件以上支援してきた古谷明大の現場経験と、ブリッジローカル社の「Local Consumer Review Survey 2024/2025」のデータをもとにまとめています。


僕のクライアントでも★は4.3〜4.5で横ばいなのに、 「直近3ヶ月のクチコミが途切れたタイミング」で新規問い合わせが落ちるパターンが何度も出ています。 数字より“最近の声”が止まることのほうが、実際の集客にとっては致命傷です。

これが現実。


オーナーは「星と件数」しか見ない。でも消費者は違う


まず、オーナー側の頭の中はシンプルだ。

  • ★4.0未満 → 「印象悪そう」

  • クチコミ10件以下 → 「信用されないんじゃないか」

  • だから「とにかく件数を増やしたい」「低評価を埋めたい」


この考え方自体は間違いじゃない。

極端に★が低い、クチコミゼロの状態は、さすがに論外だから。


ただし、★4.2と4.4の差を死ぬほど気にしているのは、ほぼオーナーだけだ。

実際の消費者が見ているのは、もう少しエグいポイントだ。


2025年の消費者がクチコミで見ている5つのポイント


ブリッジローカルの調査と、実際にヒアリングしてきた感覚を合わせると、2025年の消費者は主にこの5つを見ている。


① 最新のクチコミかどうか(新しさ)

Googleレビューの詳細画面。最新の口コミが投稿されている写真
  • 1〜2年前の★5レビューがいくら並んでいても、あまり信用されない

  • 直近1〜3ヶ月のクチコミがスカスカだと「今はどうなんだろう?」と不安になる

とくにクリニックやジムなど「接客」「技術」が絡む業種は、最近の口コミがない=スタッフが変わった?質が落ちた?と疑われやすい。


② レビュー本文の具体性

  • 「最高でした!」「良かったです!」だけの★5は、ほぼノーカウント

  • どんな悩みで来て、何をしてもらい、どう変わったのか“ストーリー”が書かれているかどうか

たとえばパーソナルジムなら、

「3ヶ月で−5kg」「膝が痛くてスクワットが怖かったが、フォームを丁寧に直してもらえた」

こういう具体的な一文が入っているだけで、説得力が一気に変わる。


③ 良い点と悪い点が両方書かれているか

  • いいことしか書いていないレビューは、もう誰も本気で信じていない

  • 軽い不満やデメリットが書かれていたほうが、全体としての信頼度は上がる

例:「待ち時間は少し長かったが、その分しっかり説明してもらえた」こういうレビューは、むしろプラスに働く。


④ 写真や動画があるか

  • 店内の雰囲気

  • Before/After

  • 実際の施術・トレーニングの様子


文字だけより、写真・動画付きレビューのほうが圧倒的に見られている。AIも画像をかなり読めるようになっているので、SEO的にもプラスに働く。


⑤ 店側の返信内容

  • テンプレ返信ばかり → 「機械的で、あまり本気じゃなさそう」

  • 一件一件にちゃんと返している → 「ここは真面目にやってるな」

ネガティブレビューへの返信は特に重要で、

  • 事実関係を落ち着いて説明しているか

  • 認めるべきところは認めているか

  • 今後の対応方針が書いてあるか

ここを見ている人は、想像以上に多い。


データが示す「数字ゲームの限界」


ブリッジローカルの調査を読むと、「数字だけ追いかけても意味が薄い」ことが数字でもハッキリしている。


ざっくり要点だけ言うと:

  • レビューを「いつも/よく読む」人は相変わらず多い

  • でも「家族・友人の紹介と同じくらいレビューを信頼する」人は減っている

  • その代わり、レビューの“内容”や“新しさ”への目が厳しくなっている

つまり、

「レビューは読む。ただし、数字じゃなく“中身”で判断している」

ということ。

オーナーが考えている「★4.5・レビュー100件=勝ち」みたいな世界観は、もう崩れつつある。


「売上に効く」クチコミはこう作る


じゃあ、現場で何を変えればいいのか。シンプルに落とすと、ポイントは3つだけだ。


1. 件数より「継続性」と「新しさ」を優先する

  • 一気に30件集めて、半年放置 → 微妙

  • 毎月コンスタントに数件ずつ増え続ける → 強い

“レビューの更新頻度”そのものが、信頼のシグナルになっている。MEOの評価軸としても「新しいクチコミ」はかなり重要だ。


2. 「具体的な体験」が書かれるように仕掛ける

「クチコミ書いてください」だけでは、ほぼ100%「良かったです」で終わる。

聞くべきはこういうことだ。

  • 来店前はどんなことで悩んでいましたか?

  • 実際に受けてみて、一番良かった点は?

  • どんな人におすすめしたいですか?

この3つをメッセージや紙で渡すと、レビューの質が一気に変わる。


3. 写真・動画のハードルを下げる

  • Before/Afterの写真

  • 店内やスタッフとの写真

  • トレーニング風景・施術の一場面

「よかったら写真も一枚だけ撮らせてください。 クチコミに載せると、同じ悩みの人の参考になります。」

この一言を言うか言わないかで、“刺さるレビュー”の割合はかなり変わる。


AI検索時代でも、レビューの本質は変わらない


AI検索の話を絡めておく。

  • AIはレビューを読み、要約し、その店の“評判”を文章で出してくる

  • そのとき使われるのは、「中身のあるレビュー」「具体例」「最近の声」

つまり、人間が「いいレビューだな」と感じるものを、AIも高く評価しやすい。


逆に、

  • テンプレ的な★5

  • 明らかに作られたような文章

  • 旧いレビューばかり


こういうものは、人にもAIにも刺さらない。

AI時代だからこそ、

「本当にお客さんの役に立った体験を、ちゃんと文章と写真で残してもらう」

という、超地味なところで差がつく。



まとめ:2025年のレビュー戦略は「数」から「質×継続」へ


改めて、シンプルにまとめる。


  • オーナーが気にしているのは「★の数」と「件数」

  • 消費者が見ているのは「中身の具体性」「新しさ」「写真」「店側の返信」

  • 一気に集めた古い★5より、最近追加された、体験の分かるレビューのほうが価値が高い

  • AI検索も、そういう“人間にとって価値のあるレビュー”を拾いにくる


だから、これからやるべきことは、

「★を上げたい」「件数を増やしたい」と騒ぐ前に、“中身のあるレビューを、毎月コツコツ増やす仕組み”を作ること

ここを整えれば、数字も後からちゃんとついてくるし、MEO・AI検索・オーガニック検索、どこから見られても強い状態になる。


 
 
 

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