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※悪用厳禁※購買心理マーケティング【集客のネタ帳#24】

11 分前
読了時間: 8分


みなさん、モノを買うとき、自分で考えて、自分で決めていると思いますよね。


価格を比べ、品質を確かめ、自分に必要かどうかを考える。いくつかの商品を見比べたうえで、最後は自分の意思で選んでいる。おそらく、多くの人がそう考えていると思います。


ところが、消費者心理の研究者ジェラルド・ザルトマンは、


❝購買の意思決定の95%は、無意識のうちに行われる❞


という見方を示しています。


これは「買い物の95%が衝動買い」という意味ではありません。自分では気づいていない感情や、これまでの経験が、買う判断に深く関わっているという話です。


「なんとなく、こっちがいい」


「このお店は、感じがいい」


「少し高くても、この人にお願いしたい」


そう感じた理由を、私たちはすべて説明できるでしょうか。

こんにちは。DMDの古谷です。


私たちは、売る商品のことを一生懸命に勉強します。素材や技術、性能、競合との違い、価格に見合う理由。お客様から質問されたときに困らないよう、詳しく説明できる準備もします。


しかし、その商品を「買う」と決める、お客様の心については、どれくらい知っているでしょうか。


商品の知識を増やしても、お客様が「これは自分に必要だ」と感じる理由に届かなければ、人は動いてくれません。


今日は、そのことがよく分かる、あるトラクターメーカーの話です。


その会社の商品は、競合より性能が高く、品質にも自信がありました。


ただし、価格も約2割高かったのです。


━━━


■良さを説明しても、選ばれない


そのメーカーは、ジョンディア。


当時のヨーロッパ市場では、競合より約20%高い価格が販売の壁になっていました。


営業担当者も、何もしていなかったわけではありません。馬力があること、燃費が良いこと、運転席が快適なことなど、価格が高い理由を丁寧に説明していました。


商品の性能は良い。説明している内容も間違っていない。それでも、農家の人には「良い商品だけれど、やっぱり高い」と受け止められていました。


ここで考えてみてください。


商品が2割高いとき、さらに詳しく性能を説明すれば、お客様は納得してくれるでしょうか。


場合によっては、詳しく説明するほど「高い商品を買わせるための説明」に聞こえてしまいます。


そこで、売り方を考え直すために、一つの問いが立てられました。


「農家が、一年で最も不安になるのはいつだろう?」


経営陣が考えたのは、収穫の時期でした。一年かけて育てた作物を無事に収穫できるかどうかは、確かに大きな問題です。


ところが、農家で育った講師は、別の時期に目を向けました。


「本当に怖いのは、種まきの時期です」


雨が続けば、畑に入れません。ようやく晴れても、地面の状態が悪ければ作業はできない。そうしている間に、種をまける日はどんどん減っていきます。


限られた日数の中で作業を終えられなければ、種まきが遅れます。育つ時期がずれ、収穫量が減り、一年の収入にまで影響するかもしれません。


農家が心配していたのは、トラクターの馬力が足りないことではありませんでした。


限られた期間に、種まきを終えられないことだったのです。


ここまで分かると、同じ性能でも伝え方が変わります。


「このトラクターは馬力があります」と説明するのではなく、「雨が上がったあとの限られた時間で、どれだけ作業を進められるか」を伝える。


「今使っている機械より、種まきの遅れを何日減らせるのか」「その数日の違いが、一年の収入にどう影響するのか」を説明する。


すると、トラクターの性能が、農家の仕事や暮らしとつながります。


農家が知りたかったのは、馬力の数字ではありません。


その機械が、自分たちの一年を守ってくれるかどうかだったのです。


━━━


■「欲しい」が生まれる前に、説明していないか

重要なのは、売る順番でした。


最初に、お客様が「これは自分に関係のある話だ」と感じる。そのあとで、性能や価格について理屈で納得してもらう。


ここでいう感情とは、感動的な話をして泣いてもらうことではありません。


「それ、うちも困っている」


「この人は、私の事情を分かっている」


「それが解決できたら助かる」


こう感じてもらうことも、感情を動かすということです。


まだ必要性を感じていないお客様へ、詳しい商品説明をすると、どうなるでしょうか。


「今のままでも、それほど困っていない」


「ほかにも似た商品がありそう」


「もう少し安くなったら考えよう」


このように受け止められるかもしれません。


一方、雨が続き、種まきの遅れに悩んでいる農家なら、知りたいことが次々に出てきます。


「この機械なら、作業は何日で終わるのか」


「今使っている機械と、どれくらい違うのか」


「追加で払う金額に見合うのか」


そこで初めて、馬力や燃費、価格の説明が、自分の判断に必要な情報になります。


理屈で欲しくさせるのではありません。


欲しいと感じた人が、安心して決められるように理屈を渡すのです。


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■皆さんは、馬力から説明していませんか


この順番は、お店の接客や広告にも、そのまま当てはめられます。


「最新の設備を導入しました」


「新しい技術を習得しました」


「高品質な材料を使っています」


「他店よりも時間をかけています」


こうした説明は、どれも大切です。しかし、お客様がまだ「それが自分にどう関係するのか」を理解していなければ、ただの特徴として聞き流されてしまいます。


一生懸命に良さを説明しているのに、最後は「もう少し安ければ」と言われる。


その原因は、商品の価値が低いことではないかもしれません。


お客様にとっての「種まきの遅れ」が、まだ見えていないだけかもしれないのです。


たとえば、美容室でお客様から「髪が広がる」と相談されたとします。


そこで、すぐにトリートメントや縮毛矯正の説明を始めたくなるかもしれません。しかし、その人が本当に困っているのは、髪が広がること自体でしょうか。


朝のセットに20分かかり、会社へ遅れそうになることかもしれません。雨の日に髪型が崩れて、人と会いたくなくなることかもしれない。写真を撮るたび、自分の髪が気になってしまうことかもしれません。


同じ「髪が広がる」という悩みでも、その人がなくしたい問題は違います。


だから、メニューを説明する前に、もう一つだけ聞いてみます。


❝どんなときに、一番困りますか?❞


答えが返ってきても、すぐに説明を始めず、少し待ってみてください。すると、お客様が本当に話したかったことが続くかもしれません。


「実は、毎朝それで遅刻しそうになるんです」


ここまで分かれば、説明すべき内容も変わります。


成分や技術をすべて話す必要はありません。その人の髪なら朝の支度がどれくらい楽になる可能性があるのか、自宅でどんな手入れが必要なのか、期待できることと難しいことは何かを伝えればいい。


商品の説明が、その人の生活をどう変えられるかという話に変わります。


もちろん、話を聞いた結果、別の方法のほうが合っていることもあります。自社の商品では解決できないことが分かる場合もあるでしょう。


それでも、お客様の事情を理解したうえで正直に伝えることが、「この人は売ることよりも、自分のことを考えてくれている」という信頼につながります。


━━━


■お客様の言葉だけでなく、行動を見る


ただし、質問への答えだけを信じればいいわけではありません。


お客様が口で説明する理由と、実際に動けなくなっている理由は、同じとは限らないからです。


たとえば、無料相談を用意すれば、申し込みやすくなると思いますよね。


しかし、お客様は「無料なら得だ」と考える一方で、「あとから強く売り込まれるのではないか」と警戒しているかもしれません。


問題は、相談の内容でも価格でもありません。


申し込みボタンを押す直前に生まれる、不安です。


この不安を見つけるには、お客様が商品を知ってから予約するまでを、自分でもう一度たどってみます。


どこで立ち止まるのか。


その瞬間、何を不安に思うのか。


何が分かれば、安心して次へ進めるのか。


商品を中心に考えると、「何を説明するか」に目が向きます。


お客様の行動を中心に考えると、「どこで止まり、何が動けなくしているのか」が見えてきます。

━━━


■今週、3人のお客様に聞いてみる


今週は、広告を変える必要も、値引きをする必要もありません。新しい接客マニュアルも、まだ要りません。


一つの商品やサービスを選び、3人のお客様へ聞いてみてください。


❝それで、一番困っているのは、どんなときですか?❞


答えを聞いたら、さらにこう尋ねます。


❝それがなくなったら、何が一番楽になりますか?❞

❝商品を知ってから申し込むまで、どこで迷いましたか?❞


そして、お客様が話した言葉を、言い換えずにそのままメモしてください。


こちらで「つまり、こういうことですね」と、きれいにまとめる必要はありません。お客様が実際に使った言葉にこそ、その人が商品を欲しいと思う理由が含まれています。


3人に聞くだけでも、共通する言葉が出てくることがあります。


朝の時間を減らしたい。


人の目を気にせず過ごしたい。


失敗する不安をなくしたい。


家族へ負担をかけたくない。


その言葉が、広告の見出しになります。接客で最初に伝える言葉になります。そして、競合より高くても選ばれる理由になります。


お客さんの「なんとなく欲しい」の背景には、その人の経験や、普段感じている不便、避けたいこと、叶えたいことがあります。


売る側が、その背景を知らないまま商品説明を増やしても、話はすれ違ったままです。


次に商品をおすすめするときは、その前に一つだけ聞いてみてください。


❝それで、一番困っているのは、どんなときですか?❞


皆さんのお客様にとっての「種まきの遅れ」が、見えてくるかもしれません。



 
 
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