なぜ、害獣駆除会社は訪問前にDVDを送ったのか【集客のネタ帳#25】

こんにちは。DMDの古谷です。
アメリカのある害獣駆除会社は、担当者が訪問する前に、お客様へDVDを送っていました。収録されていたのは、保険の請求についての説明です。
屋根裏にアライグマが入り込んだ。コウモリが居ついてしまった。そんな相談を受ける会社が、訪問前に保険の話を届けていたんです。
DVDだけではありません。
作業の進め方。
放置した場合のリスク。
支払い方法と保証。
申し込んだあとの流れ。
実際に利用した人の体験談。
さらに、依頼前に知っておきたいことを収録した音声も、パッケージに入っていました。
担当者が玄関のチャイムを鳴らす前に、お客様が依頼先を判断するための材料を届けていたわけです。
この順番を、少し覚えておいてください。
お客様に断られたとき、多くの会社が見直すのは、担当者が「会ってから何を話したか」です。
この会社のやり方は、「会う前に何を伝えておくか」を考えるきっかけになります。
■今日の要点
・お客様が会う前に知っていることで、会話の出発点は変わる。
・先に届ける情報は、お客様が依頼先を決めるための疑問から選ぶ。
■その担当者に、何を背負わせているのか
お客様は、あなたに会うまでに何を知っているでしょうか。
会社の名前と、おおよその料金だけ。
誰が来るのか。
どんな手順で進むのか。
ほかの会社と何が違うのか。
頼んだあとに、何が起きるのか。
そうしたことを知らないまま、担当者を迎えるとします。
すると、その担当者は初対面の相手に信用してもらい、仕組みを説明し、不安を解消し、最後には契約までお願いしなければなりません。
ずいぶん多くの仕事を、一度の面談に詰め込んでいます。
それで「検討します」と言われる。
会議で出てくるのは、「もっと営業力を上げよう」。説明の順番を変え、切り返しを覚え、それでも難しければ値引きをする。
私は、その担当者を研修に送り出す前に、会社がお客様へ何を送っていたのかを見たいんです。
お客様が駆除の専門家でなければ、業者ごとの作業の違いは簡単には分かりません。
「技術には自信があります」と言われても、次に電話する会社も同じことを言いそうです。違いを判断する材料がなければ、料金だけで比べられやすくなります。
そこで、先ほどのパッケージです。
お客様は自分のペースで内容を確認できます。家族と一緒に見ることも、気になったところを読み返すこともできます。
担当者に会ったときも、
「どんなことをするんですか?」
という最初の説明から、
「資料にあったこの作業は、うちにも必要ですか?」
という具体的な話へ進める余地が生まれます。
担当者の話し方を変える前に、担当者が引き受ける会話を変えられるんです。
もちろん、資料を作るには手間がかかります。
ただ、同じ説明を訪問先で毎回繰り返すのにも、手間はかかっています。その場で一度説明すれば、すべて理解して覚えてもらえる、というわけでもありません。
繰り返している説明の一部を、先に届けられる形にしておく。
この準備を、営業担当者の話術だけで補おうとしていないでしょうか。

■「当日お待ちしております」のあとに残る疑問
これは、訪問営業をする会社だけの話ではありません。
広告を出す。ホームページを整える。ようやく予約が入る。
そのあとに送るのは、
「ご予約ありがとうございます。当日お待ちしております」
だけ。
日時の確認はできています。では、お客様が初めて来ることへの不安はどうでしょう。
例えば、パーソナルジムの体験を予約した人。
「運動が苦手でも、ついていけるだろうか」
「どんな人が教えてくれるんだろう」
「体験が終わったら、強く入会を勧められないだろうか」
予約ボタンを押したあとにも、こうした疑問は残っているかもしれません。
そこで最新のマシンを紹介しても、その人の知りたいことには答えていません。
当日の流れを写真で見せる。
担当する人を紹介する。
初心者からよく聞かれる質問に答える。
料金や入会について、いつ、どんな説明をするのかを知らせる。
こうした案内があれば、お客様は自分がそこで何をするのかを想像しやすくなります。
売る側にとっては、毎日の仕事です。
お客様にとっては、初めての経験かもしれません。
「来てくれれば分かるんですけどね」
そう思う説明ほど、一度見直してみてください。その中に、お客様が来る前に知りたかったことがあるはずです。
ただし、ここで立派な会社案内を作り始めると、話がずれることがあります。
きれいな表紙。会社の沿革。社長の挨拶。
それらを用意する前に、お客様が何を分からないまま問い合わせているのかを、書き出してみてください。
料金の違いでしょうか。
サービスの進め方でしょうか。
自分にも合うのか、という不安でしょうか。
その答えから、必要な内容を選びます。
お客様の声も、「親切でした」「よかったです」だけで終わらせない。
運動が苦手な人なら、同じように運動を避けていた人の体験が気になるでしょう。忙しくて通えるか心配な人なら、仕事とどう両立しているのかを知りたいはずです。
掲載の許可を得た実際の言葉から、どんな悩みや不安を持っていた人なのかが伝わるものを選ぶ。
読む人が「自分と似ている」と分かることが大切です。
ページを増やすたびに、こう確認してください。
「これで、お客様のどの疑問に答えられるだろう?」
答えが出なければ、制作費をかけて、読まれない会社案内を厚くしているのかもしれません。

■今週、いつもの説明を一つだけ先に送る
最初からDVDも冊子も音声もそろえる必要はありません。
まず、スタッフに一つ聞いてみてください。
「初めてのお客様に、毎回どんな説明をしている?」
その中から、来る前に知っておいたほうがいいことを一つ選びます。
料金の説明でも、当日の流れでも構いません。
文章で伝わるなら、短い文章にする。様子を見てもらうほうが早ければ、写真や短い動画にする。
そして、次の予約のお客様に送ってみる。
そのときは、読む理由も添えてください。
「初めての方からよくいただく、当日の流れと料金についての質問をまとめました」
これなら、何を確認できる案内なのかが伝わります。
実際に会ったときには、こう聞いてみてください。
「事前の案内を見て、ほかに気になったことはありましたか?」
そこで出た質問が、次に足す内容です。
読まれていなければ、送るタイミングや案内の言葉を見直す。説明が伝わっていなければ、写真を足したり、言葉を変えたりする。
確認するのは、資料を何ページ作ったかではありません。
同じ説明を繰り返す時間は減ったか。
お客様の質問は具体的になったか。
申し込みには、どんな変化があったか。
その反応を見ながら、自分のお店に合う形にしていきます。急ぎの対応が必要なときは、資料を読んでもらうために待たせず、相手の状況に合わせて届ければいいんです。
営業力を磨くことは大切です。
そのうえで、会社として先に準備できることがあります。
次の一件で、いつも会ってから説明していることを、一つだけ先に届けてみてください。
お客様との会話が、どこから始まるかを確かめてほしいんです。
DMD
古谷
P.S.
いま送っている予約確認メールを開いてみてください。
日時と場所のほかに、お客様の「初めてだから分からないこと」への答えは、一つでも入っていますか。



